今春から仲間に加わったラグビー王国ニュージーランド出身の大型フランカー。
17歳までプレーした13人制ラグビーで培った強靱なフィジカル、巧みなオフロードパスに注目!
私生活では2人の息子のパパ。子煩悩で、現在暮らしている地元・新浦安の公園は「すべて制覇しました」。
柔らかい笑顔が印象的な愛称「ジミー」「JT」の素顔に迫りました。
世界トップレベルを体感してきた
ラグビー王国ニュージーランドの元U20代表。
ロック、フランカー、NO8の経験もあるユーティリティFW。
新浦安に住んでいるそうですね!
そうです。すごく綺麗な街で、お気に入りの場所です。ベイエリアや公園が多いので、子供にとって素晴らしい環境です。
ニュージーランドでは庭が広かったり、子供を外で遊ばせる環境がたくさんあります。
新浦安にもそうした場所があることが嬉しいです。
ご家族は何人ですか?
妻と息子が2人います。上の子供は7歳、下は2歳です。
いつも子供を遊ばせているので、周辺の公園はすべて制覇しました(笑)。
父親としての自分は10点満点中何点ですか?
7.5点くらいかな(笑)。
妻は自分からいろいろやってくれる人なので、私はとても幸運です。
僕の毎晩の仕事は、子供たちをお風呂に入れることです。
残りの2.5点を埋めるには?
まだ車がないので、車を買っていろいろな場所へ連れて行くことができればいいと思います。
7歳のご長男は浦安の小学校に通っている?
そうです。
学校も含めて、日本語や日本の文化を学ぶためにいろいろな体験をすることが大事だと思っています。
好きな日本食は何ですか?
子供たちは寿司が好きですね。
特に2歳の子供と私はラーメンが好きです。
日本国内でどこかへ遊びに行きましたか?
この前富士山に行きました。
レンタカーで5合目まで行きましたが、富士山は素晴らしかったですよ。
ご両親はトンガ出身ですか?
そうです。トンガではあまり経済が発展していないので、両親は子供たちのためにニュージーランドへ移住しました。私はニュージーランド生まれです。
私は6人兄弟の下から2番目です。ラグビー一家というわけではないですが、父は13人制ラグビー(リーグラグビー)でプレーしていました。
家族の中ではどんな存在ですか?
冗談を言うタイプですね。あと家で何かが壊れると、いつも僕が疑われます(笑)。
ラグビーを始めたのはいつですか?
父に言われて、小さい頃から13人制ラグビーをやっていました。15人制ラグビーをやるようになったのは17歳からですね。
ニュージーランド北部やオーストラリア西海岸で盛んな13人制ラグビーですが、15人制にも活きるスキルはありますか?
あります。13人制ラグビーはオフロードパスが多く、全員がオフロードパスができる事が前提になっています。このオフロードパスのスキルは15人制でも活きています。
それまでは他にどんなスポーツを?
一番好きなスポーツはバレーボールです。バレーボールではオークランドの高校州代表にもなりました。
ただ15人制ラグビーを始めた時に良いプレーができて、その後にオークランドの州代表に選ばれました。それでラグビーのキャリアを築くことを目指しました。
ニュージーランドではユースのU20代表(2012年)に選出されていますね。
そのユースチームでその後一番有名になったのは、いまのオールブラックス(NZ代表)のプロップ、オファ・トゥウンガファシですね。
2013年、現在南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー」を2連覇中の王者クルセイダーズに加入することになったきっかけは?
U20代表の時のコーチがロブさん(ペニー/前アークスHC)でした。
彼がU20の大会後に自分にチャンスが与えられるよう、クルセイダーズ(スーパーラグビー所属の強豪チーム)を紹介してくれました。
2013年の加入時のポジションはどこでしたか?
クルセイダーズでは1年目がバックロー(第3列)で、その後は6番(フランカー)と8番(NO8)をやっていました。
僕は6番が好きですね。スクラムで耳が潰れないので(笑)。ボールキャリーをしてハードなタックルをする、というシンプルな役割が好きです。
当時のクルセイダーズの第3列には、オールブラックスのキャプテンであるリッチー・マコウとキアラン・リードがいたと思います。どちらも伝説的なプレイヤーです。
この時はまだラグビーを始めて間もなかったので、1年目では彼らにいっぱい質問をして、自分の課題を聞いていました。いつも助けてくれて、いろいろなことを教えてくれました。
17歳で15人制に挑戦して、3年後の20歳でクルセイダーズ入り。階段を駆け上がった要因は?
プロセスのどの段階にも良いコーチがいてくれたことです。
どのコーチもラグビープレイヤーとして若い自分にとても理解がありました。
また伝説的なプレイヤーたちと一緒にやることもでき、彼から学ぶこともありました。
来日のきっかけを教えて下さい。
日本にはいつか行ってみたいという思いがありました。いろいろな選手に話を聞いても、日本のラグビーに対しては良いコメントしかありませんでした。家族にとっても良い環境だと聞いていました。
シャイニングアークスのラグビーも、YouTubeなどで観ました(笑)。ラグビースタイルがとても速くワイドにボール展開をしていて、それがとても好きでした。
今春から実際に練習に参加して、6月のカップ戦にも出場しました。チームの練習の感想は?
ラグビーがとても速く、みんなフィットネスがあることに驚きました(笑)。
ジャパンラグビートップリーグカップ2019-2020 宗像サニックスブルース戦にて。(2019年06月29日)
アークスはスクラムにもこだわっています。スクラムに対するプレー、考え方は変わりましたか?
すごく変わりました。自分の身体の使い方を変えることによって、どうやって良いスクラムを組めるのか、ということに対する意識が変わりました。
最初に来た時、スクラムがとても低くて対応するのが難しかったです。ニュージーランドではスクラムを高く組むので。ノブジ(斉藤展士スクラムコーチ)とテクニックの話をして、練習しました。時間はかかりましたが、いまは低く組むことができています。
仲間から何と呼ばれていますか?
「ジミー」と呼ぶ人もいますし、イニシャルで「JT」と呼ぶ人もいます。
仲の良い選手は?
外国人選手とは自然と喋りますが、日本人選手ではルイ(三宮累/プロップ)とはよく話しています。
毎日ルイからは日本語をひとつ教えてもらって、僕からは英語をひとつ教えています。プレシーズン中には「痛い」という言葉を教えてもらいました(笑)。
2020年1月からトップリーグが始まります。ファンには自分のどんなプレーを見て欲しいですか?
ラインアウトで貢献できればと思っています。あとはオフロードパスを見てほしいですね。
シーズンの個人目標を教えて下さい。
いくつかありますが、まずはチームメイトの尊敬を勝ち取ること。そうすることによって、サポーターや周りの人たちのリスペクトも集めることができると思います。
あとは、コーチが毎週セレクションをする時に、最初に名前が挙がる数人のうちに入っていたいと思います。
では最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。
グラウンドでファンの皆さんの顔を見たいです。80分間応援をしてくれれば、私たちもすごく元気をもらえます。どうぞお願いします。
ジミー・トゥポウ