Last Message

ラストメッセージ

2020年度 退団選手インタビュー

PR 小野 慎介

2020年6月、プロップとして2012年から8シーズン活動した小野慎介(おの・しんすけ)選手の退団が発表されました。

1989年10月30日、千葉県生まれ。小学2年からラグビーを始め、高校日本代表に選ばれた千葉・流経大柏高校時代は3年時に花園ベスト8に。

明治大学に進学後もU20代表、日本選抜に抜擢されるなど将来を嘱望され、2012年にNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)に入団。
スクラムの猛者として活躍し、時にケガに悩まされながらもアークスで8シーズンを戦い抜きました。

今回は20年以上にわたる楕円球生活を振り返りつつ、アークスへの想いをたっぷり語って頂きました。

そして今回もインタビュー前に、NTTコミュニケーションズの仲間から小野選手へサプライズのビデオメッセージが。

小野選手は笑顔で観賞していましたが、最後は「グッときました」。ビデオ視聴後にインタビューは始まりました。(インタビュー日/6月26日)

仲間からの温かいサプライズビデオに
「最後はグッときました」

サプライズビデオの感想はいかがですか?

最後はグッときましたね。引退したんだなと実感します。会社の皆さんもついさっきまで一緒にいたのに、ビデオに出てきてビックリしました。

素直に嬉しいですし、でも、なんですかね――引退に悔いはないですけど、また一緒にラグビーをやりたいような気持ちになりました。

現在の心境はいかがですか?

引きずっていることもなく、仕事を頑張ろうと思っているところです。
開幕したら試合を観に行きたいなと思っています。

選手引退を決めたタイミングと、その理由は何でしょうか?

昨年春のトップリーグカップの前に、肉離れをした時に決めました。

大会前は身体のキレがここ数年感じたことないほど良くて、その年に懸けていました。
そんな中で、クセになっていた肉離れを起こしたことで決断しました。

アークスは怪我をした時のサポート体制が充実していますよね。

良いリハビリメニューを提供してもらえますし、ケガの状態について密にコミュニケーションを取ってくれます。

トレーナーのサポートや、早くグラウンドに戻りたいという気持ちもあって乗り越えてこられましたが、肉離れはクセになっていたんですね。

実は去年、楢山が引退することになって(直幸/プロップ/明大同期で2019年度引退)、その年にケガをしていたので自分も、と思っていたんですが続けさせてもらいました。
そこへきてのケガだったので引退を決意しました。

やはり明治大学、NTTコミュニケーションズで共にプレーしてきた同期のプロップ、楢山さんの存在は大きかったですか。

そうですね。辞めるのは同じタイミングかなと思っていました。高校日本代表でも一緒にやっていましたし、お互いがいたからこそ頑張ってこられたのかなと思います。

散った花園ベスト4の夢、自身のプレーで逆転負け・・・。
印象深いのは「負けた試合」

7歳から始まったラグビーキャリアで、思い出深い試合は?

中学時代でいえば、2年生の時に近畿ラグビースクール選抜に完敗したこと。やっぱり関西は強いんだなと思いました。

高校時代は、身体が大きかったので1年生からいきなりAチームメンバーに抜擢されたのですが、関東スーパーリーグ(関東上位チームによるリーグ戦)でなにもできずに終わって、帰りのバスで号泣したことですね。

あとは高校3年生の花園(全国高校ラグビー大会)で、あと5分くらい経てば流経大柏として初めての『花園ベスト4』だったんですけど、桐蔭学園に逆転負け(15-19)したことですね。

その年は桐蔭学園に3回負けたんですよね(関東新人戦で12-31/関東スーパーリーグで5-45)。試合後のロッカールームで、松井先生(英幸/元流経大柏監督)が泣いているところを初めて見ました。

明治大学でいえば、2年生の早明戦です(2011年12月2日/明大16-18早大)。

ラストワンプレーで明治が勝っていたんですけど、時間を潰す作戦の時に、僕が味方のスクラムハーフとかぶってしまって、それがPK(ペナルティキック)になって3点を決められて負けました。

負け試合が強く印象に残っているんですね。

そうですね。そもそも特に大学時代はあまり試合に出ていなくて、4年生の春はCチームでした。ただ大学1、2年でU20代表であったり、社会人メインの日本選抜に選ばれてフランス大学選抜に勝ったりしていましたね(20-19)。

同じプロップで日本代表の稲垣啓太選手(パナソニック)とは同年代ですね。

一つ下ですね。もともと流経大柏と新潟工業は毎年よく試合をするんですが、高校時代からガッキー(稲垣)は1番で、僕が3番なのでスクラムで対面でした。「こう組むといいよ」と教えたりしていたんですけど、今はもう立派になられて(笑)。

アークスでの印象深い試合というと?

自分の中で一番良かった試合は、宮城で開催された豊田自動織機の試合です。まだ展士さん(斉藤スクラムコーチ)やトッド・クレバーがいました。(2013年9月15日/宮城/28-26で勝利 試合レポート)

後半に出場してから一気に勝って、最後はスクラムトライのような形でトライをして逆転勝ちしました。

周りから「マン・オブ・ザ・マッチはお前じゃないか」と言われ、その気になっていたんですが、選ばれたのはトライしたトッド・クレバーでした(笑)。

小野慎介選手
アークスでの楽しい思い出。
選手生活を伸ばしてくれた恩人

楽しかったグラウンド外の思い出は?

夏合宿ですね。

ロブ(ペニー/前ヘッドコーチ)がチームに来てから夏合宿で出し物のイベントもやるようになって、たとえば「ディズニー」というテーマで仮装をして出し物をしたりしました。

合宿の練習が終わって、夜にみんなで集まって「何やる?」と話し合ったり。「ディズニー」のテーマの時、僕らのチームが賞を獲りました。トイストーリーが題材で、僕はバズ(ライトイヤー)役でした。

スクラムを支えるフロントロー(プロップ、フッカー)の仲間で集まることは?

「フロント会」というフロントローだけの飲み会はあります。
やっぱり同じきつい練習をしていて、会話も合うので楽しいですね。

フロントローは頼もしい後輩も育っていますね。

試合に出ているのも年下の選手ですし、伝えることはないです。練習量はすごいので、自信を持って、試合で実力を出してもらえればと思います。

これまで特にお世話になったコーチというと?

展士さん(斉藤スクラムコーチ)は昔から知っていてお世話になりました。

初めて会ったのは高校2年くらいです。流経大柏の練習に来てくれてスクラムを指導してくれていました。

僕は展士さんが現役を引退してから緊張感がなくなったところもあって・・・。
でも3年前にコーチとして戻ってこられて、また変わらなきゃいけないと思って頑張れました。

斉藤コーチのスタッフ入りで選手生活が伸びた?

理由として、だいぶあると思います。
展士さんがコーチとして戻ってきていなかったら、もっと早く辞めていたかもしれないですね。

ちなみにアークスでの“ベスト・スクラム”を挙げるとすると?

やっぱり2019年の春にジャパン(日本代表)と組んで、めちゃくちゃ押し込んだことですね。
あの時の手応えはだいぶあります。トイメンはガッキー(稲垣選手)、フッカーは堀江選手(翔太)、3番はヴァルアサエリ愛選手だったと思います。

いきなり8対8で組んだと思いますけど、このままシーズンに入っていけたらいいのにと思ったくらい良かったです。練習の結果が出て、やっていることは間違いないなと思いました。

NTTコミュニケーションズの応援文化に感謝

小野さんは選手であり会社員でもある「アスリート社員」としても活動してきました。

ラグビーだけをしていたら分からない部分が多く学べました。
仕事も分かってくると、いろいろな方が動いているからラグビーができていることも分かり、より感謝を感じるようにもなりました。

ラグビー選手であることがビジネス面で活かされることは?

初対面の方との第一印象が良いですね。特に年上の方はラグビー好きな方が多くて可愛がってくれます。

会社の応援はいかがでしたか?

土曜日や日曜日にもかかわらず、皆さんスタジアムに応援に来てくださいました。NTTコミュニケーションズにはチームを応援する文化があります。
NTTダービー(NTTドコモとの試合)になると声援がすごいですね。サインのコールが全然聞こえないです。

NTTコミュニケーションズだからこそ学べたことは?

「アスリート社員」として選手は社業にも力を入れています。ラグビーをやっているだけでは気付けないサポート力の有難さを感じます。
会社員としても成長できます。僕も9年目にしてようやくなんですが、視野が広くなってきたと思うので、いまは新鮮な気持ちで仕事に取り組めています。

いまだからこそ感謝したい母のひと言、恩師の指導

会社以外で、引退にあたり感謝を伝えたい人は誰ですか?

感謝している人は母です。
高校で流経大柏に入って、高校2年まで千葉印西市の自宅から通っていたんですが、朝6時の電車に乗って、帰るのが夜11時くらいでした。

朝、成田線に乗って我孫子に行って、柏で東武野田線に乗り換えて、最寄り駅から今度は自転車で学校へ行って、そこから朝練をやって。
夜は練習を9時までやって、帰りの電車はいつも座れなくて――。

やっと家に着くのは11時くらいで、疲れすぎて玄関でそのまま寝たりしていました。
母に「きついから辞めたい」と何度も言ったんですけど、母だけは「続けなさい」と言って。
母のその言葉がなければ、ラグビーをやっていませんでした。

感謝したいもう一人は、流経大柏の松井先生。
あれだけの時間と情熱を捧げていたことは凄いと思っています。そういう意味では、展士さんもすごいですね。
僕たちの知らないところですごく研究もしています。

ラグビー人生は100点満点中何点ですか?

100点ですね。全力を出し切りました。たくさんの仲間ができましたし、海外遠征や国際試合も経験できました。

いま一番したいことは何ですか?

暦通りの連休を満喫したいですね。

もう土日の休みは決まっていますし、祝日もちゃんと休めます。特に正月は満喫したいです。

日本一のスクラムを組んで、日本一に

今後の目標を教えてください。

会社でいえば、今まで良くしていただいた分を恩返しできるレベルまでしっかり仕事をしたいです。
後輩のためにも、「ラグビー選手は違うね」と言ってもらえるように仕事に取り組みたいと思います。

健康面でいえば、去年の人間ドックの結果が悪かったので健康にならなければマズい、と思っています。

今後のNTTコミュニケーションズラグビー部に期待することは?

もうベスト4に入る力は十分にありますし、これまでどおり優勝を目指してほしいです。
選手のスキルもすごいので、あとは結果を出してもらえれば言うことはないです。

日本一になると同時に、日本一のスクラムを組んで「シャイニングアークスといえばスクラム」「スクラムといえばシャイニングアークス」となることを期待しています。

小野選手から皆さまへメッセージ

今日はありがとうございました。最後に、これまで支えくれた方々へメッセージをお願いします。

2019-2020シーズンをもって引退することとなりました。

試合に出場する機会はそんなに多くはありませんでしたが、熱いご声援をいただきましてありがとうございました。

試合に勝った時は一緒になって喜び、負けたときは一緒になって悔しがる、そんなファンの方々の存在があったおかげで、ここまでラグビーを続けられたと思っています。
今後はスタンドから一緒に盛り上げていきたいと思いますので、これからもシャイニングアークスの応援をよろしくお願い致します。ありがとうございました。

Arcs Legend「小野慎介選手」
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