CloseUp Interview

クローズアップインタビュー

金正奎キャプテンが語る2019年のアークス。

金正奎

入団6年目、スキッパーとして4年目を迎えたFL金正奎キャプテン。

常翔啓光学園高から早稲田大。卒業後の2014年に入団して6年目になる不撓不屈のフランカーが、トップリーグカップ2019へ向けた意気込みを語ってくれました。

話題は多岐にわたり、地元・浦安での暮らしぶりから、新入団選手たちの印象、オススメのアスリート食も。

天性のキャプテンが語ってくれた、2019年のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス。
(取材日:2019年6月12日)

「このチームで『日本一』と言っても
不思議ではなくなりました」

主将として4年目を迎えました。昨年と比べてチームの雰囲気は違いますか?

雰囲気の違いはすごくあります。

今までは練習の精度であったり、試合の結果であったり、不安材料が残る春シーズンが多かったんですけど、今シーズンは新しくヘッドコーチ(HC)になったリース(・エドワード)、FWコーチのジョー(・バラカット)が、チームにエナジーをもたらしてくれています。

若手もそうですし、リーダーグループ※1も「日本一になるために」という同じ絵を見て、本当の意味でちゃんと日本一を目指していることが、今までとの違いかなと思います。

このチームで「日本一」と言っても不思議ではなくなりました。5年かかりましたね。

(※1)金正奎キャプテン/三浦嶺/須藤拓輝/中島進護/小倉順平/西橋勇人/シェーン・ゲイツ

たとえば、誰かが「目標は日本一です」と言ったら?

「そうだよね」となります。周りからもどんどん「日本一」という言葉が出るようになっています。
それがすごく大事かなと思いますね。

キャプテンとしては嬉しい変化ですね。

僕はずっと「日本一」ということを言い続けてきた方だったので、チームに浸透してきたことは良いと思います。
ただ嬉しさというのはあまりなくて、あとは結果をちゃんと残すことが自分たちの仕事です。

本当にハードな練習を積んできています。今年で6年目ですけれども、1番しんどい春シーズンを過ごしたと思います。走るボリュームもそうですし、コンタクトの練習は特に増えました。

どのぐらい厳しいプレシーズンだったのですか?

みんな身体が痛すぎて次の日動けないとか(笑)

僕も筋肉痛で本当につらい日もありました。
スタミナには自信を持っているのですが、「きついな」と思った日もあります。

練習を試合の強度に。
自分たちに課した、日本一へのステップ。

今年はディフェンスがよりアグレッシブになっていると聞きました。

去年より相手のミスが多くなっています。

NTTドコモさんやキヤノンさんとの練習試合でもそうですが、ミスボールからうちがトライすることが多かった。
それはディフェンスのプレッシャーがかなり強くなったからだと思います。

しかし、まだまだ向上しなければいけない部分がたくさんあるので、そこは全然満足してないです。

向上しなければいけない部分というと?

リーダーグループでは「細部にこだわる」ということを常に言っています。

すごく小さいことなのですが、「ラックができたら前に出ようとする意識を見せる」とか、「前に敵がいたら指をさす」とか。

「円陣をタイトにして話をしている人の顔を見よう」「移動中はジョギングをしよう」とか。細かいと思われるかもしれないですが、強いチームはそこにこだわっている。

去年はペナルティーが多く、その積み重ねで惜しい試合が続きました。
僕たちは大きなところは良くなっているのですが、細かいところで負けてきている。

惜しい試合が多かったのは細かい部分だったので、そこはかなり口酸っぱく言っている部分ですね。

昨シーズンで惜敗したリーグ戦第5節 NEC戦

去年も規律を守ろうと仰っていました。
それでも反則が多くなってしまった理由はどこにあるのでしょう?

ひとつは個人の意識があると思いますが、練習から強度を作り出せていなかったことが大きな要因です。

練習を試合の強度にする。ミスボールに思いきり飛びつくのも、試合では絶対にやるんだから練習でもやろうと。
どんどん試合に近づける。練習のための練習をせず、練習を試合と同じ扱いにしようと常に言っています。

今年はかなりゲームの強度と同じくらい激しく練習をしているので、この試合3試合(NTTドコモ戦、キヤノン戦、ヤクルト戦)で、ペナルティーが少なくなっています。

キャプテンとしてのスタイルに変化。

チームの意識が変わり、キャプテンの役割にも変化がありましたか?

かなりまわりに任せています。基本的にはリーダーのグループがあるので。

もちろん自分が出るところは出ますが、パフォーマンスで自分を出して、身体を張って背中で見せる、という気持ちでやっています。

今まではどちらかというと、自分が全部言っていました。「ミスボールがあったらセービングだろう」とか。
でも、自分がそう言っていることが、チームにとってあまり良くなかったと思っています。

一昨年くらいまでは「自分が自分が」で自らパフォーマンスも落としていました。
人ばかり見て、自分にベクトルが向かない時間が多すぎました。そのことでパフォーマンスが下がり、チームにとって結果的に良くなかった。

でも今は同じ絵を見る人たちがかなり増えて、そこに役割を振ることで、自分のパフォーマンスが安定して良くなってきました。

学生時代や世代別代表でキャプテンを務めてきましたが、その気づきは大きいですか?

やっぱり大きいですね。

社会人は年齢層も広いし、ヘッドコーチも外国人でそれぞれ環境が違うのに、学生の時と同じようなリーダーシップの取り方をしていました。それが正しいと思い込んでいたこと自体が間違いだったのかなと思います。

ただ、これについて正解はないなと思っていて、チームが結果を残した時に「その時のリーダーシップの取り方というのが良かったね」と、やっとそこで評価できるものだと思っています。

浦安は「魚がめちゃめちゃ美味しい」。
食生活はストイック。オススメはポップコーン?

チームの本拠地・浦安に住んで2年目になりますね。

近くにカフェ(LAUMELIA)があり、そこに良く行ったりしていますね。
あとは家が近いので、家に人を呼ぶようになったかなと思います。

この前もルーキーたちを家に呼んでご飯を食べました。家でリラックスして話すと本音も聞けます。

僕は「(グラウンドの)外で会う」といったことがすごく大事だと思っていて、そういう時間を長く過ごすと、チームとして良い方向にはいっても、悪い方向には絶対にいかないです。

本拠地・浦安の暮らしぶりはいかがですか?

魚がめちゃめちゃ美味しいです。意外と知られていないのですが漁港があって、よく船が出ています。
僕は魚が大好きなので、浦安の定食屋さんにめちゃめちゃ行っています。常連です。

育った大阪でも魚をよく食べていた?

あまり食べてこなかったですね。こちらで食事制限をちゃんとするようになって、魚が好きになりました。

ちなみにダイエットにオススメの食事、食事方法は?
アスリートとして食事には人一倍気を遣っていると思いますが。

僕が言ったことが合う人、合わない人がいると思うので、言い切ることはできませんが、オススメは「量を変えずに内容を変える」。お米を白米100%じゃなくて、玄米と50%ずつにしてみるとか。

気をつけてほしいのは、炭水化物とアルコールの相性が非常に悪い。
これが太る原因になります。そこを避けるだけでだいぶ違うと思います。

あと、僕は食物繊維が高いものたくさん食べることが大事だと思っています。
家でよくやっているのは、揚げないポップコーン。 ポップコーンメーカーで作っているんですけど、お菓子感覚でポリポリ食べられる。
でもトウモロコシなので野菜ですし、食物繊維が豊富でお通じも良くなると思います。

ちなみにどんな朝食を?朝のルーティンはありますか?

基本的に夜10時に寝て朝6時、7時に起きますが、朝のルーティンはないですね。
朝早く起きる時は、外部にトリートメントを受けに行く時か、外部でトレーニングをする日です。

朝ご飯はオートミールを食べています。
オートミールは「炭水化物の最強版」と言われていて、身体に良い成分がたくさん入っていて、かつ糖質も少ないので、とても良いです。フルーツを乗せたりして食べています。

期待大の新人たち。キャプテンからの印象は?

ふたたびチームの話題ですが、今年も楽しみな新加入選手がチームに加わりましたね。

そうですね。

(プロップ)齊藤剣はポテンシャルがすごく高いです。すぐに化けそうな感じですね。
スクラムもフィールドもかなり良いので、チームでやることの理解が深まれば、フロントローのレギュラー争いがかなり激しくなりますね。

(フッカー)山口達也はすごく走ります。走力が高く、パスも上手で器用です。
今やっているチームのラグビーにすごく合っている選手ですね。あとは言いたいこともしっかり言えるので、そこはすごく良い部分だなと思います。

(スタンドオフ)松尾将太郎は思い切りの良い選手で、さすが日本一になった大学(昨季大学日本一の明大)のスタンドオフだな、ということを感じさせるプレーも多いです。
チームにもすぐ溶け込んでいるので、コミュニケーション能力もすごく高いです。

(センター)前田土芽は僕がオーバーエイジ枠で行ったジュニア・ジャパンで、向こうからどんどんコミュケーションを取ってきてくれました。ラグビーをよく知っていて、IQがとても高いと思います。
両足キッカーで身体も強いので期待できます。

安田卓平は、線は細いですけど、めちゃめちゃ身体が強い。足も速いですし、彼も両足キッカーです。
いろんな武器を持っているので、身体がもう少し大きくなってスキルがつけば、すぐに化けそうな気がします。

張容興はすごく足も速いですし、器用な選手です。身体もめちゃめちゃ強いです。
頭が良くて日本語もすごく勉強していて、だんだんとコミュニケーションが取れるようになってきているので、チームの助けになっています。

山田章仁さんはもう何回も一緒にやっているので(笑)。楽しみです。
最年長なので“オールデスト・ルーキー”ですね。日本一を助けてほしいです。

※ニューフェイスインタビューはこちら

いざ日本一へ!!
最初のターゲットは6月23日(日)東京・秩父宮ラグビー場での東芝ブレイブルーパス戦。

トップリーグカップ2019が始まります。楽しみの方が大きいですか?

めちゃめちゃ楽しみです。この「楽しみだな」という気持ちを持てていること自体がこれまでと違います。

いまはチームとして(開幕戦の相手)東芝をスマッシュする、という同じベクトルを向いていると思いますし、日々最善を尽くそうと言っています。

東芝戦の次は、また次の試合がターゲットになる?

1戦1戦ですね。1番良くないのが先を見すぎて、目の前に集中できないことです。

どうやったら日本一なれるかというのは、まだ日本一になっていないので分からないですが、その日の最善を尽くそうとずっと言っています。とにかく目の前ですね。

では最後に、皆さまへメッセージをお願いします。

自分たちがベストを尽くしている姿で、ファンや市民の人たち、社員の人たちへ感動、勇気を与える――そういう良い影響を与えていきたいと思っています。自分たちはそこを目指して日々努力しています。

それが結果として日本一につながれば、本当に最高だと思います。
全力を尽くしてやっていきます。