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Special Interview

マンスリーインタビュー

個性派3人による異色座談会!

新田コーチ×選手(佐藤大樹・石井勇輝)

個性派3人による異色座談会!
新田コーチと、急成長の2年目コンビ佐藤&石井。
一体どうなる!?

「選手×スタッフ」の座談会をお送りしているマンスリーインタビューで、今回は個性的な3人が登場!

選手からは、2020年1月のトップリーグ開幕で活躍が期待される2年目コンビ、ロック(LO)の佐藤大樹選手と、ウイング(WTB)の石井勇輝選手!
神奈川・桐蔭学園出身のLO佐藤選手は、慶大で主将を務めた理論派。
一方の神奈川・日体大荏原高校初のトップリーガー、東洋大出身の石井選手は感覚派。
好対照な2人に加えて、2015年W杯では日本代表、2019年W杯ではフィジー代表のS&Cコーチを務めた、新田博昭ハイパフォーマンスマネージャー。

座談会では日本代表やフィジー代表でのエピソードも明かしてくれました。
個性派3人によるトップリーグ開幕直前座談会、一体どうなる!?

石井勇輝選手、新田博昭コーチ、佐藤大樹選手

左から石井勇輝選手、新田博昭コーチ、佐藤大樹選手

新田コーチの分析は
「考えすぎる大樹」と「考えなさすぎる勇輝」

まず新田コーチから見て、2年目の佐藤大樹、石井勇輝両選手の成長ぶりを教えて下さい。

新田博昭(以下新田):うーん・・・。

佐藤大樹(以下佐藤):「うーん」と困るのはおかしいんじゃないですか。(笑)

石井勇輝(以下石井):それなりに成長していると自分では思うんですけど・・・。

新田:慌てるな(笑)。
まず(石井)勇輝は、1年目は怖いもの知らずで、勢いでやっていた。2年目は工夫を加えないと成長曲線が上がっていかない。いまはその時期かなと。

石井:おっしゃる通りです。悩んでいます。

新田:ここを越えたら、一皮も二皮も剥けると思う。ちょっと工夫が足りないかな。

石井:たとえばどんな工夫ですか?

新田:“型”を持った方がいい。
ウイングは職人だから、相手を抜く時の間合い、感覚を語れるものなんだけど、勇輝は“型”を持っていない。俺が今まで会ってきた名ウイングは、どういう風にボールをもらいたいか、相手の抜き方が言える。

石井:言えない・・・。

新田:言えないでしょ(笑)。とりあえずドーン!みたいな。

石井:そこは最近、アキさん(山田章仁)とか(石井)魁さんに聞きながらやっているところです。

プール戦第1節東芝ブレイブルーパス戦にて

新田:聞くだけじゃなくて、自分で答えを見つけないと。
まあ、勇輝のことばっかり話してもアレなんで・・・(佐藤を見る)。

佐藤:・・・・・・。

新田:無反応!(笑)。

佐藤:勉強になります。

新田:勇輝の課題が「考えること」や「工夫」だとしたら、大樹は真逆。
常に考えているし、自分なりの工夫があると思うんだけど、その様子見が1年目は激しかった。ようやく様子見は終わったのかなと。

佐藤:まだです。

新田:まだか。

佐藤:石井は1年目、新人らしく思いきりやっていたけど、僕は逆にどうしたらいいかを考えすぎて、自分を出せずにいた。それが1年目です。今年になって少しずつ自分の殻を破って、みんなともコミュニケーションが取りやすくなって、理解が深くなったかなと思います。

新田:実は大樹は身体能力が凄い。皆さんが思っている以上に恵まれている。でも1年目は出し惜しみをしているところがあった。

佐藤:・・・・・・。

石井:ちゃんと会話しろよ(笑)。

新田:2年目になってチームに入り込んできているので、このまま行ってくれたらいいなと期待しております。

練習試合 宗像サニックスブルース戦にて

佐藤:ありがとうございます。

(一同笑い)

知られざる“大樹節”。
元慶大主将・佐藤の個性的な一面。

石井:大樹は同期なので自分は気にならないけど、「先輩にその返答する!?」とヒヤヒヤすることがけっこうあった。

佐藤:普通に「はい」「いいえ」じゃなくて、せっかくなら気の利いたことが言いたかったので、それが違う方向に行ってしまったのかもしれない。

石井:お前はそれでいいんだよ。今はみんなが「大樹節」を分かってるから。
新田さんは会話していて「大樹節」、思わないですか?

新田:分かる。

佐藤:どういうところですか?

新田:理屈で返してくるところ。

佐藤:感情で返したらいいですか。イェーイ!!みたいな。せっかくなら面白いこと言いたくないですか。

新田:たとえばコーチとして「やるぞ!」と言ったら、勇輝は「分かりました!」と返してくるけど、大樹はそこで「何ですか?」って返してきそう。

佐藤:理屈を分かった上でやった方がいいと思ってるんです。ポジティブにやりたいから聞いてるんです。
生まれながらにネガティブなところはありますけど――理由、狙いを聞きたいんだと思います。

新田:分かるよ。ただ勇輝はもうちょっと考えたほうがいいし、大樹はもうちょっとガムシャラにやったほうがいい。だから2人とも課題があるわけですよ。そこを克服すれば間違いなくファーストチョイスで出てくる。
確実に近いところにいる。

石井:フュージョンするか。

佐藤:やだよ(笑)。

2選手による気になる新田コーチ評。

佐藤選手、石井選手から見て、新田コーチはどんな人ですか?

新田:そういうのいやだな~(笑)。

石井:大学時代の監督が元サントリーなので、元サントリーの新田さんを知っていて、新田さんの話は聞いていました。だから人見知りみたいな感じです。

新田:「人見知り」は言葉がおかしい。

石井:顔見知りだ(笑)。だから、顔見知りみたいな感じでした。
あと大学4年の時に怪我をしていた時、2週間くらい新田さんにお世話になり、身体の使い方を教えて頂いて、足も速くなりました。

佐藤:新田さんはいろいろ気を遣って、よく声をかけてくれます。良いと思ったものに関して敏感ですし、変えていける方です。自分が100%信じているからこそ、プレイヤーに落とし込んでいけるんだなと。
選手一人ひとりのこともよく見ていて、細かなところを観察しているなと驚きます。

新田:ほら、大樹はこういう風に言ってくる(笑)。

佐藤:欲を言えば、僕としては理詰めで教えてくれるといいなと。ダッダッ!とか、音で表現することも多いので。

新田:コーチングは擬音を使ったほうがよく伝わるんだよね。

石井:自分は伝わります。

新田:俺もいろいろ勉強してきて、一周回って今は擬音を使っている。
意識することによって動きが悪くなることも多々あるからね。試合中、普通は筋肉を意識できない。意識できるとしたら、動きの質。動きの質を表すには擬音。
私も一応勉強してきましたから、ぐるっと回ってそうなったわけですよ。

石井:2015年ワールドカップの日本代表に行った時は、一周回ったあとですか?

新田:回ったあとだね。

石井:じゃあ日本代表もそのやり方を経験してるんですね。

新田コーチ「日本代表では全然苦労しなかった」。
フィジー代表は「良い国、良い人達」。

新田コーチは日本代表のS&C(ストレングス&コンディショニング)コーチとして、2015年ワールドカップを経験しました。

新田:日本代表に行った時には、個性が強い選手ばかりだと思っていた。でも一番やりやすかった。
説明したことが伝わる。やっていることが違う、みたいなことが本当に少なくて、これが一流ね、という感じだった。あと言ったことに対して、想像を越えてくる選手がいる。
想像を越えられると、すごく嬉しい。

石井:いま越える人はいます? 石井魁さんとか?

新田:魁はそういう面があるね。たとえば(山田)章仁。普通の人の成長曲線を越えてくる。
良い意味で予想を裏切られる。

石井:僕も良い意味で予想を裏切ったら言ってほしいです。「裏切られた~」って。

新田:ジロー(佐藤選手の愛称)が感情むき出しでガンガンにボールキャリーしていたら、裏切られた、と思う。
それが嬉しいわけじゃん。

石井:僕たちが先陣を切って裏切っていきます。

2019年ワールドカップで、新田さんはフィジー代表のS&Cコーチも務めました。

新田:ウイングのジョシュア・トゥイソバは、肩を掴んだらメロンを掴んでるみたいだった。めちゃくちゃ強い。あとは(セミ・)ラドラドラは良い。彼のプレーはとても参考になる。

石井:フィジーは感覚でやっているようなイメージがあります。

新田:俺も同じような感覚でフィジー代表にいったけど、ちゃんとやっている。
コーチがNZだったり豪州だったりするから、あまりメニューの構成も変わらない。選手はコーチの言うことを素直に聞く態度を持っていて、こんなに良い国で、こんなに良い人達だったんだと。すいませんでしたという感じ。

石井選手の目標は「スタート(先発)で出続ける」。
佐藤選手は「恩返し」。

新田:いま2人に聞きたいのは、目標って何なのかなということかな。
具体的な目標、到達したい理想の姿はあるのかな。

石井:自分はめっちゃ上の方に日本代表。そこへ行くためにはチームでウイングとして先発で出続けて、トップリーグのトライ王になる。ここでウイングに定着したら日本代表に近づけると思っています。

新田:その道程をどこまで具体的にイメージできているのかなと。

石井:試合中にもっと頭を使ったプレーができるようになりたいです。その課題がクリアできたらプレーの幅がさらに広がるのかなと思っています。

新田:そういうプレイヤーになれたらトライ王、そこから日本代表ってことだよね。
何というか、大したことのない俺の人生だけど――

石井:はい。

(一同笑い)

新田:「そんなことないですよ」って言うんだよ、こういう時は。

石井:真剣に聞き過ぎちゃって(笑)。

新田:俺は「こうなりたい」ということを念じる方で、
大学を卒業してアメリカに行った時、「アメリカでコーチになりたい」とずっと思っていた。でもきっかけがない。だけどクラスメイトにUSバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)でS&Cコーチをしている奴がいて、すぐに「一緒に行っていいか」と頼んだ。それがコーチとしての始まり。ずっとメジャーな大学のS&Cコーチをやりたいと思っていたから、そういう時にアンテナに引っかかる。
――まあ、俺の話はいいんだけど。蛇足でした。とにかく、2人も何か念じてよ。

佐藤:僕はあんまり念じてないですね。大学の時もめちゃくちゃトップリーガーになりたいと思っていなかったですけど、これだけ感動を与えたり、誰かの感情を動かしたりできる機会があるなら幸せなことだと思って、それでトップリーグの道を選びました。

新田:すごく近いところに目標を置いていない?1年先も見ていない。

佐藤:そうですね。先のことをイメージしながら頑張るのは必要なことだと思うんですけど、自分としては、地に足が着いていないのが気持ち悪いというか。ピンとくるのは、お世話になった人、会社の方とか両親に、熱くなれる瞬間を恩返しという形で返してあげたらいいなと思っています。

新田:個人としての野心というより、「みんなのために」という想いのほうが強い。

佐藤:そうですね。大事な人のために頑張った方が、頑張れる気がします。

新田:けっこう熱いものを持っているよね。

佐藤:自分のためだったら「別にいいや」と思う方なんですよ。どうせ自分だし。

新田:人に尽くすタイプには全然見えない(笑)

(一同笑い)

佐藤:意外と尽くすタイプ。

新田:俺には尽くしてくれない。

石井:それは新田さんだから。

新田:身近じゃん、それなりに。そうか、ジローの範囲には入ってないんだね・・・。

佐藤:まだまだ試合にも出場できていない状態ですし、それは僕の器量が狭いんです。
僕の力量ではカバーできていない。

新田:俺は日々「自分を出して欲しい」というイメージで、意識的に接しているんだけど・・・。
そうか、俺は入っていなかったか・・・。入れてくれる?

石井:“入れてくれる”(笑)。

佐藤:今は家族くらいしか入ってないです(笑)。

リーグ戦開幕へ向けて。
新田コーチが考えるキーポイント。

新シーズンへ向けて、お三方が抱いている目標、楽しみを教えて下さい。

新田:楽しみといえば、(マルコム・)マークス、ナキ(アマナキ・レレイ・マフィ)、(クリスチャン・)リアリーファノ。この世界の3人がいるわけですよ。こんなチームはなかなか見ないかなと。
そこに日本人選手がどう絡んでくるか。豪華メンバーに引き上げられるように日本人選手が成長してくれば、目標にしているトップ4はすごく現実的になるのかなと思います。

石井:確かに!と思いました。

佐藤:確かに。

新田:そこに絡んでくる日本人選手が大事なんですよ。(サントリーで)何回か日本一になっているけど、ジョージ・スミスとかジョージ・グレーガン(元豪州代表)とか世界的選手がいた。
でも彼らに頼るのではなくて、彼らと日本人選手がどうコラボするかが大事。良いコラボになると「俺が優勝させてやった」という感じじゃなくなる。
世界的選手に「このチームで優勝したい」「みんないい仲間だからこいつらと優勝したい」と思わせられるかどうか。

石井:僕らにかかってますね。やるしかない。

新田:キーは彼らを巻き込んでいくことだね。

佐藤:みんなで力を合わせて頑張ります。

(一同笑い)

本日はありがとうございました!