CloseUp Interview

クローズアップインタビュー

強力スクラムを支える三浦選手、上田選手が登場!
斉藤コーチも参戦し“濃密”スクラムトーク!

三浦嶺・上田竜太郎・斉藤展士スクラムコーチ

「入ってからの5年間で『一番素晴らしいチームになっている』と実感することができました」(金正奎キャプテン/第2節サントリー戦後)

「間違いなく、今までで一番強いチームだろうと思います」(元キャプテン・溝口裕哉/カップ第2戦Honda戦後)

歴代チームを知る中堅・ベテラン選手たちが、“過去最強”と口を揃える2018年度のアークス。

リーグ戦の戦績は3勝4敗ですが、4つの敗戦はすべて7点差以内の接戦でした。

そんな今季アークスの強さを支えているのが、急成長した強力スクラムです。

近年最下位だったという「スクラム成功率」はリーグ4位(96.4%/第7節終了時点)に急上昇。

スタッフの方によれば、相手ボールスクラムを奪う「ターンオーバー率」はなんとリーグトップ。今季の躍進をデータが証明しています。

第1節神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦にて

8人対8人で組まれるスクラムは、有利に立てば「コラプシング」などの反則を奪うことができる武器になります。
しかし、逆に圧倒されてしまうと、確実にピンチは増えます。

まさに毎回がハイリスク・ハイリターンの勝負であるスクラムですが、その最前線で相手と対峙しているのが、フロントロー(FW第1列)と呼ばれるPR(プロップ)、HO(フッカー)の選手たちです。

第2節サントリーサンゴリアス戦にて

今回のインタビューでは、アークスの強力スクラムを支える2選手が登場。

ともに今季リーグ戦で全試合出場中、しかも同期入社で、プライベートでも頻繁に行動を共にするというHO三浦嶺選手、PR上田竜太郎選手!

さらに今回はアークスOBで現役時代はスクラムの猛者として知られた斉藤展士スクラムコーチが緊急参加。

アークスファンから、ラグビーマニアまで、要注目の“スクラムトーク”を展開して頂きました。

今季絶好調のスクラム!その要因は?

今季はスクラムが大きな武器になっていますが、その要因は何でしょうか。

上田竜太郎(以下上田):去年の11月から今年にかけて、他チームのフロントローより、確実にトレーニングをやっているということですね。

三浦嶺(以下三浦):(スクラムコーチの斉藤)展士さんがきて、スクラムのベーシック、アークスの形を作ってくれたことが一番大きいです。

上田:これまではブレたときに戻るところがありませんでした。何をしたらいいか分からなくて崩れていったんですけど、いまは『アークスのスクラムは何をしたらいいか』をフォワード全員が分かっているので、以前のように大崩れはしないですね。

上田選手、三浦選手は現役時代の斉藤コーチとプレーしています。
斉藤コーチはどんな選手だったんですか?

上田:ひたすら(スクラムが)強い。

三浦:スクラムに対してこれだけパッションのある人がいるんだと衝撃を受けました。
(斉藤コーチに対しては)絶対的な信頼はありますね。言われたことを取り組めば、かならず何かしらの結果はついてくる、ということは思っています。

8対8でスクラムを組むより練習の方がつらい!?

今春は和歌山でフォワード合宿を行いました。あらためて、どんな合宿だったのですか?

上田:基本的に『フォワード全員でやりきろう』という感じですよね。

斉藤コーチ:怪我人であってもユニット参加できる選手は連れていって、『怪我人もカバーしながらみんなでやっていこう』ということでした。あとフォワードの平均体重を1キロ増やしたかったので、筋トレをたくさんしてもらいました。

三浦:4部練習だった。

上田:朝5時30分に起きて、6時からウエイトトレーニングを1時間くらい。
朝ご飯を食べてから、午前9時からユニット練習をして、午後にまたユニット練習をして。そして夜に筋トレですね。

それを毎日繰り返したのですか?

斉藤コーチ:夜9時以降に誰も起きていないです。

三浦:次の日の練習があるし、起きていられないから自然と寝ちゃう。

では、和歌山合宿の成果は?

上田:一体感はすごくありました。

迎えた春シーズンで、スクラムのハイライトを挙げるとすると?「あの試合のあのスクラムが良かった」などなど…。

上田:そうですね……いや、実は、ライブの8対8のスクラムが一番ラクなんですよ。
ベーシックの練習が一番キツくて……。

三浦:怪我人が出ると、8対8が組めなくなりますよね。そうするとスキル練習になるんです。
そのスキル練習が、試合でスクラムを組むよりもキツい。

どんな練習内容なのですか?

上田:人を上に乗せたり。最近は首に重りをつけて、スクラムの動きを延々とやったり。

そうしたフロントローのたゆまぬ努力や、スクラムの重要性をより多くのファンに伝えていきたいですね。
でもなかなか伝わりずらいというもどかしさもあります。

三浦:まず、スクラムのキツさが伝わらないです。

上田:ラグビーをやっている人でも、フォワードパックじゃないとたぶん分からないと思う。

三浦:みんな遊びでも(スクラムを)やろうとしない。

斉藤コーチ:でもスクラムって、押すか押されるかで判断できますよね。
圧倒的なものだったら人って「おお!」ってなるのが普通だと思うので、そういうところをたくさん見せることができれば、おのずと伝わると思いますよ。(となりの二人を見て)だからそうしてくださいよ。

上田:……。

三浦:……。

今季何度も窮地を救った強力スクラム。
印象深かったスクラムは?

今季リーグ戦では何度もスクラムでチームを救いました。印象深かったスクラムは?

三浦:神戸製鋼との試合(開幕戦/27-34)は、僕の中でファーストスクラム。
たしか試合中盤でしたが、シーズンが始まるということで、自分たちとしては試される場面でした。そのファーストスクラムで自分たちの力を少しは見せられたのかな、と。自信にもつながりましたし、「やってきたことは間違いじゃなかったんだ」という思いもありましたね。

神戸製鋼をスクラムで押し、試合後の記者会見で金キャプテンが「フロントローは春から一番努力していますし、それはチームの誰もが認めるところ」とコメントしました。ファーストスクラムで「やってきたことは間違いないじゃなかった」という感触があったわけですね。

三浦:そうですね。

第2節は2連覇王者サントリーと2点差(18-20)の熱戦。スクラム戦では圧倒していたように見えました。あの試合も「押した」として解釈して大丈夫ですか?

斉藤コーチ:大丈夫です。

三浦:でも組ませてもらえなかった。

上田:めちゃくちゃ押したので。

スクラムで圧倒したら、サントリーが上手く勝負を避けてきたわけですね。

上田:次は相手を捉えて、押し切ることができるようにしたいですね。

これだけチームに貢献すると、チーム内でフロントローの地位が上がっているのでは?

斉藤コーチ:フロントローのタックル成功率が上がっているので、ミーティングでそういう部分は褒められていますね。スクラム以外の数字が上がっている。

役立っているという手応えはありますか?

三浦:バックスが起点にしてくれている感じはあります。さらっと『(フロントローが)やってくれるから』という感じで。

上田:サニックス戦(リーグ最終戦/31-12)は、絶対にスクラムで流れが変わりました。もしかしたらサニックス戦は、スクラムで五分以下だったら結果は分からなかったと思います。

第7節宗像サニックス戦にて

戦いは12月から始まる総合順位決定トーナメントへ。

12月1日には、いよいよリーグ総合順位決定トーナメントのヤマハ発動機戦があります。長年スクラムに注力しているヤマハ発動機との一戦へ向けて、ひと言お願いします。

斉藤コーチ:越えるべき壁だと思うんですね。目標として持っています。
しっかり練習してきたので、彼らに良い思いをしてもらいたいという気持ちも強い。僕は試合までの良い準備を提供して、自信をもって試合に臨めるよう、ヤマハ戦へ向けて100%出してもらいたい。それだけですね。

上田:スクラム、セットプレーが心臓というか。そこで勝負してくると思います。
斉藤コーチがいつも言ってくれているんですけど、スクラムでヤマハ発動機に勝てば、数字的にも日本一のスクラムになれるので、絶対にスクラムを押して試合に勝ちたいです。

三浦:譲れない部分ですし、去年ヤマハさんとやったときに不甲斐ない結果を出してしまった。
譲れない、負けたくない、絶対ドミネートしたいという気持ちが大きいです。本当にそこだけは引いちゃいけない。
タフに戦いたいです。

フロントローの絆は「ファミリー」。
明るい雰囲気がチームに好影響。

休日はどんな風に過ごされていますか?

上田:そうですね……。
基本的に休みがないじゃないですか。面白くないですけど、何もやってないですね。休日はお昼くらいまで寝て……。

三浦:僕は軽くトレーニングをして、美味しいものを食べています。

上田:一緒に食べる時もありますね。というか、一番一緒にいるかもしれないです。嫁さんより一緒にいる。練習でも一緒に横にいて、「10何時間一緒におると」みたいな。

三浦:そして次の日の朝にまた会う、みたいな(笑)

フロントローはいつも一緒にいると思います。その理由は何ですか?

三浦:話が合うんじゃないですかね。キツいことを一緒にやってきている、というのはあるかもしれないです。

上田:基本的に試合に出る3人は、一週間ずっと一緒にいます。ご飯を食べながらもずっと話していますね。
スクラムって本当にちょっとしたことで違うので、永遠に話が尽きないですね。

あらためて、フロントローにとってスクラムとは?

上田:一番やらなきゃいけない仕事。勝っても負けてもすぐに分かっちゃう部分です。

三浦:ですし、「フロントローだけの結果」みたいなところはあります。

上田:正直、試合に負けるよりも、スクラムで負ける方が悔しい。

三浦:試合に勝ってもスクラムで負けてしまうと、チームとしては良いことだけど、喜びきれない。

最後になりました。フロントロー同士の関係を言葉にすると?

斉藤コーチ:ファミリーみたいなものじゃないですか。

三浦:上下関係もないですし。

斉藤コーチ:うちのフロントローはキツいことをやっていても楽しい空気なんです。
キツいことをやっていても前向きな空気というのは、チームに良い影響を与えているなと思います。

本日はありがとうございました!

三人:ありがとうございました。