CloseUp Interview

クローズアップインタビュー

開幕前特集

ロブ・ペニー ヘッドコーチ

いよいよ8月31日(金)、「ジャパンラグビー トップリーグ2018-2019」が開幕を迎えます。
試合数は昨季から5試合減り、10試合(リーグ戦7試合+順位決定戦3試合)でトップリーグ王者を決定します。
(その後新設のカップ戦も予定されています)
果たして、我らがNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)の展望は!?
そこで、アークスの指揮官として5季目を迎えたロブ・ペニーHC(ヘッドコーチ)にインタビューを行い、新シーズンの展望など多岐にわたりお話を伺いました。

2014年度からアークスを率いているペニーHCは、ラグビー王国・ニュージーランド(NZ)の出身です。
選手時代のポジションはバックロー(FW第3列)で、NZカンタベリー州の代表として約10年間(1985~1994)プレーするなど、第一線で活躍。
コーチとしては、カンタベリー州代表のHC、20歳以下NZ代表のHCなどを歴任。
2012年度から率いたマンスター(アイルランド)では、欧州3大リーグのひとつ「プロ12(現プロ14)」の最優秀コーチ賞も受賞しています。

そんなペニーHCへのインタビューは、7月下旬、新浦安のカフェ「LAUMELIA」で行われました。
オリジナルブレンドのコーヒーや、食材にこだわった料理が人気で、アークスの選手・コーチもよく訪れるそう。
ペニーHCは自転車で颯爽と登場。開放的なウッドテラスでインタビューが始まりました。

今季から浦安市がホームタウンになりました。周辺環境などはいかがですか?

素晴らしいです。
NZや南アフリカにはグリーンスペースがたくさんありますが、この辺りにも良い公園、グリーンエリアがあります。ベイフロントには散歩道もありますし、釣りをすることもできますよ。

もう釣りはされたのでしょうか?

まだです。でも、これから釣りますよ!

勝負所で悔しい結末。昨シーズンを振り返って。

まず2017年シーズンを振り返って頂きたいと思います。
昨シーズンは、激戦区となったレッドカンファレンスに入り、リーグ戦は6勝1分け6敗でした。 その結果、9~12位決定トーナメントに回りましたが、2連勝して総合9位という結果でした。

言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが、去年は組分けがすごく悪かったです(※1)。
また去年は命運を分けるような試合がありました。引き分けになった神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦(△28-28/リーグ戦第10節)です。

追い上げて、追い上げて、最後にボールキープをしてスコアしました。3年前のチームではそういうことは絶対にできませんでした。
その後、トヨタ自動車ヴェルブリッツと試合をしましたが(リーグ戦第12節)、それが私たちのシーズンベストの試合だったと思います。

良いラグビーができていましたし、選手たちもトップクラスの選手と競い合えることを証明してくれました。

そこでトヨタ自動車に勝っていればトップ4に入っていましたが、負けてしまったので(●15-22)、その年は4位より良い結果を残すことが不可能になってしまいました。(優勝決定トーナメント進出逃す)

去年は弱点もあり、コンスタントに結果を出せていけないということも確かにありましたが、ラグビーの内容はすごく良かったのです。チームは向上しています。
5位だった一昨年(2016年度)よりも、昨年の方が力は上です。4年前に私が就任したときのチームと、いま私が率いているチームが試合をしたとしたら、軽く50点差はつくでしょう。

まだ向上しなければいけないところはあります。しかし、著しく成長している部分もあるので、それについては喜ばしく思っています。

(※1)所属したレッドカンファレンス全8チームの総勝ち点が「277」であるのに対し、 もう一方のホワイトカンファレンス全8チームの総勝ち点は「220」だった。
新天地・浦安で迎えた新シーズン。
アークス浦安パークは「ワールドクラス」。

さて今季は新天地の浦安市に移り、チームはアークス浦安パークで練習していますがいかがですか?

フィジカルな面での環境変化があり、チームに良い影響をもたらしています。

この計画(浦安市移転)をプランしてくれた方々の先見の明を、本当にありがたく思っています。
そしてチームのマネジメントグループが、それを実現してくれたことは素晴らしいことです。

特別なトレーニング環境で、地域の方々にとっても、この場所にスポーツチームがあることは好影響だと思います。

世界中のクラブ施設をご覧になっていると思います。アークス浦安パークは、世界的に見ても良い施設でしょうか?

ワールドクラスの施設です。素晴らしいです。これより良いものはないでしょう。

アークス浦安パーク

春シーズンは試行錯誤も、練習試合は3勝1敗。

春シーズンに行われたトレーニングマッチ4試合を振り返ってください。
対戦相手は、初戦から釜石シーウェイブス、NECグリーンロケッツ、日野レッドドルフィンズ、NTTドコモレッドハリケーンズで、3勝1敗という結果でした。

まず初戦の釜石シーウェイブス戦ですが、釜石市(岩手)はワールドカップ日本大会のホストのひとつになるような街なので、そこをサポートする一環で、大きな意味を持っていたと思います。(76-7で勝利)

印西(千葉)で行われたNECとの試合は、かなり寒く、また土砂降りの雨という難しい状況でした。
両者に怪我などの問題があったなかで、両チームは良い試合をしていたと思います。特に後半は風下でしたが、良い攻撃ができていました。

日野とNTTドコモとの試合では、金曜、土曜の二日連続して試合を組むという大胆な行動に出てみました。

日野戦で、最初の20分は悪かったのですが、最後の60分はすごく良い試合ができていたのではないでしょうか。(31-40で敗戦)

翌日のドコモ戦では、最初の40分はゲームを支配していました。後半はすこし当たりがソフトになってしまいましたが、最後の15分は調子を取り戻し、良いプレーができました。(49-29で勝利)

春シーズンではたくさんの選手に機会を与えることができました。まだポジションなどを試しながらやっている状態なので、自分の役割を学習中の選手もたくさんいます。

結果というのは、たしかにゲームの大事な一部です。しかし、もっと大事なことは選手たちが自分の役割を理解すること、チーム・選手として成長することです。
そこを踏まえて最終的にセレクションをしていくこと、それが春シーズンの一番の重要な仕事でした。

8月1日に新加入(追加)の外国人選手3人が発表。
新しい仲間が11人に!

今年は大卒新人選手6名、新加入選手2名、新外国人選手3名の計11名が、新たに仲間に加わりました。

新加入選手について一人ずつコメントすると、まず佐藤(大樹)はタフで良い選手です。
平井(将太郎)は身体も大きく、スキルもある。

喜連(航平)はこれからセレクションでアピールしてもらうために努力してもらいたいですね。
池田(悠希)はとても才能のあるミッドフィルダーです。斉田(倫輝)は怪我をしているのでパフォーマンスを見ることができておらず、石井(勇輝)はハングリー精神のある良い選手です。

東芝からやってきた石井(魁)は、メンバーにも慣れ、チームをリードするようなポジションになってきています。
(スーパーラグビー・日本チームの)サンウルブズでは、ファーストタッチでトライをした選手です。それをシャイニングアークスでもしてくれるのではと期待しています(笑)

(トロケ)マイケルは、NZ出身のトンガ人選手で、釜石シーウェイブスから来ました。
実はカンタベリーのコーチをしていたときに、彼を指導したことがあります。日本人の妻もいて、日本国籍も持っています。良いインパクトを与えてくれることを楽しみにしています。

アレックス・マフィは、スーパーラグビーのレッズから来たフッカーで、ナキ(アマナキ・レレイ・マフィ)の甥っ子です。大学での専攻は法律です。

ガース・エイプリルは、10番、15番をプレーできる選手。
(スーパーラグビーの)シャークスからきました。ハンドリングスキルがあり、とても速い選手です。

ロバート・クルーガーはロックです。
(スーパーラグビー決勝に進んだ)ライオンズのシーズンが終わるまでこちらには来ることはできませんが、彼が加わることも楽しみにしています。

2018年度シーズンは8月31日開幕!
「最初の2試合がタフになる」

そしていよいよ8月31日、2018年度のトップリーグが始まります。
今季の試合日程は計10試合(リーグ戦7試合、順位決定戦3試合)という短期決戦ですね。

(15試合だった)去年と同じだと、私は思っていますよ。1ゲーム、1ゲーム集中して向上していくことです。

特に重要な試合はない、という心構えでしょうか?

スタートが一番重要ですね。最初の2試合がタフになるでしょう。神戸製鋼戦、サントリーサンゴリアス戦です。
サントリー戦は金曜日の夜、秩父宮ラグビー場での試合なので、応援がたくさんあることを願っています。
(9月7日(金)19時30分キックオフ)

ペニーHCのラグビーはボールを積極的に外側へ展開しますが、そのコンセプトはいつ頃、ご自身の中に生まれたのでしょう?

プレイヤーだった時です。私がプレーしていたクラブでは、どこにスペースがあろうとも、そのスペースへアタックする、という戦略を作り上げていました。
とても楽しいラグビーでしたが、難しいラグビーでもあり、一人ひとりが自分のプレーに責任を持たなければいけないというスタイルです。

魅力的なスタイルですね。

もちろん、いつもワイドにボールを運ぶわけではありませんよ。一つだけのスタイルではないのです。

あらためて今シーズンの目標をお聞かせください。

(TOP4入りなど)数字をつけることは必要ないと考えています。
出来る限りのベストなチームになる、ということですね。

「選手がチームのために費やしてきた
努力、汗、そのすべてが実るように」

アークスを率いて5シーズン目です。意気込みを聞かせてください。

私にとっては、どのシーズンも特別なものです。このチームにかなりの情熱を注いでいますから。

選手がこのチームのために費やしてきた努力、汗、そのすべてが実るようにしたいと思っています。
そして、普段からよく働いてくれる現場のスタッフのためにも。

チームからは新しい施設など、多くのサポートをしてもらっています。その期待に応えられるように成功したいです。
そして、会社の文化の中にラグビーが深く根付くようにしていきたいです。

最後に、新シーズンに期待しているファンの皆さまへ、メッセージをお願いします。

皆さんのポジティブなサポートが、プレイヤーを元気づけていることは間違いありません。今まで通りのサポートを期待しています。
ファンの皆さんもシャイニングアークスの一員であり、ひとつの家族であると思います。

皆さんのサポートなしでは、私たちのゲームにかける意気込み、意味がまったく違います。

ファンの皆さんも楽しい気持ちになれるような試合をしていきたいと思っています。